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日常あったことや、その時々の萌えを語り散らす場。
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今日はクリスマス本番だというのに一日家に引きこもっております美織です。
昨日レストランでクリスマスディナー食べたからいいんだ。

「今年のクリスマスは絵も小話もなく終わりか…」と思っていたけれど、やっぱり何もないのは寂しいので突貫工事で小話書いてみた。
年賀状描くのに疲れて息抜きという名の現実逃避だなんてそんなことはないよ。
構成とか推敲とかほぼ皆無の行き当たりばったりで書いたので文章めちゃくちゃですが、それでも宜しければ続きからです。
CPありなので腐向けですよ。

・CP→ロゼキリ、ジェイテオ
・深キス等、ちょっと破廉恥な表現有。ただし期待すると非常にがっかりするレベル
・それぞれが突然始まり突然終わる

以上が許容出来ればどうぞ。

ちなみに関係ないけど、月曜から在校生分のセンター試験用書類数百通を一気に作ることになるそうです。
少なくとも600通はあるらしい。それを3日か4日で作れという。他の仕事もあるのに。
やる前から手が死亡フラグですね!




ちらちらと雪が舞い散る聖なる夜。
凍りつくことのない海上に浮かぶ船の上でも、いつもよりも華やかな空気が流れていた。

甘い匂いが漂う食堂。コンロと換気扇はフル稼働して己の役目をまっとうしている。
カシャカシャとステンレスがぶつかり合う音。ボウルの中の白い液体を、泡立て器でひたすらかき回す。
その音を奏でているのは、左頬の薔薇のタトゥーが印象的な青年。
「…似合わねえなあ…」
「文句があるなら貴方がやったらどうだ」
普段のロゼの姿からは想像出来ない姿に、つい本音が漏れる。
だってあのロゼが、"唯我独尊"という言葉が服を着て歩いているような男が、ケーキ作りだなんて。
彼が料理が得意だというのは知っているし、何度か食べさせてもらったこともある。
自分が作る料理などよりもよほど美味かった。それは認めるのだが。
「だってお前が生クリーム泡立ててるなんて…」
「とんだ偏見を持たれているようだな」
口調こそ普段と変わらないが、ちらりとこちらを見た目は確実に不機嫌さを孕んでいて。
少し口が過ぎたかと、片方しか見えない目を逸らす。

「俺だって好きでやっている訳じゃない。そんなにおかしいなら是非代わってくれ」
「俺は菓子作りは得意じゃないんだよ」
なにせ人数が多いギルドだ。普段の食事だけでも大変なのに、今日はクリスマス。
パーティを開くということで、料理にケーキと大忙しだ。
流石に手が足りないパニールに頼まれ、渋々手伝っている。
そこで断らないあたり彼の優しさが垣間見えた気もしたが、どうやら確実に機嫌は悪いようだ。
気分でない時に他人の為の料理を作るのが面倒なのだろうか。

「そういう貴方は何故そんなに暇そうなんだ。料理が出来ないなら力仕事でも何でもやればいいだろう」
手は休めずにロゼが口を開く。液体状だった生クリームが、少しずつ固まってきた。
「もうすぐ仕事だよ。今ユージーンさん達が必要な道具を買いに行ってる。それが来たら飾り付けだ」
「…ふうん」
パニールが「ちょっと離れるので、火を見ていて下さい」とロゼの側に飛んでくる。
それに小さく了解の返事をすると、また何事も無かったかのように腕を回し続けた。相変わらず不機嫌そうな無表情で。
「折角なんだから、もっと楽しそうに作ればいいのに」
「どんなに手を込めて作っても、どうせ一瞬でなくなるものだからな。作る気も失せる」
想像してみて、確かにそうだと思った。
なにせこの船には、大食いのリッドがいる。他にも甘い物好きな面々がずらり。
彼らにかかれば、ホールケーキ一つなどあっという間に平らげてしまうだろう。
大人数に対して手料理を振る舞うことのなかったであろうロゼからしたら、少々不満なようだ。
「ちゃんと味わって食べてくれる人だっているさ」
「その人が手を付ける前に残っていればな」
確かに、きちんと料理を味わって食べるような人がデザートに辿り着く頃には、おそらくこれはもう誰かの胃の中だろう。
容易に想像できる事態に、少々乾いた笑いが零れる。

「…さて、それじゃあ貴方に最初に味わう権利をやろう。味見してみろ」
カチャン、と硬質な音を立てて泡立て器に付いていたクリームをボウルの中に落とし、一つ作業を終える。
さっきまで白い液体だったものは、立派に角が立つくらいに固まっていた。
「いいのか?」
「俺一人の味覚より、他の意見も聞いておいた方がいいだろう」
こっちへ来い、とカウンターの向こうのキリクを呼び寄せる。
それに大人しく従い、回り込んでキッチンへと入る。
スプーンを探して辺りを見回すが、正直どこに何があるかよくわからない。
料理のレベルは並程度のキリクがキッチンに立つことはあまりなく、それに今日はあらゆる調理器具が台の上に並んでいて余計に雑然としていた。

「おい」
「え…、っぐ…!?」
呼びかけられ振り向いた瞬間、突然の息苦しさ。
同時に、口から鼻に抜ける甘い匂い。
見ると、長い指が二本口内に突っ込まれていた。誰の指かなど、言うに及ばず。
驚き頭を振って逃げようとしても、そのままついてくる。
いっそ歯を立てれば手を引くかもしれないが、流石にそこまでする勇気はなかった。人間の噛む力というのは存外強いのだ。
痕などつけてしまおうものなら、それこそ後々仕返しを受けることになる。

「っ…ふ…」
指に付けた生クリームをなすり付けるように、舌の根を撫で上げてくる。
その感覚にぞわりと背筋が粟立った。
恥ずかしさからぎゅっと目を瞑ると、満足したのか狼藉者は出て行く。
「けほっ…、ロゼ!」
むせながらも、文句を言わねば気が済まないと睨み付ければ、相変わらず涼しい顔が憎らしい。
クリームの油分と唾液で濡れた指先をぺろりと嘗めながら、表情こそ無いが楽しそうな声音で一言。
「美味かったか?」
「…ぁ、味なんてわかるか!!さっさと手を洗え!」
真っ赤な顔でわめき立てる声が、一瞬だけ外の喧騒を掻き消した。

***

ホールの奥には大きなツリーが鎮座し、様々な料理と飾り付けが華やかに周囲を彩っている。
食堂は調理で忙しないため、広いホールでパーティが行われていた。
今日くらいは戦いを忘れ、負を追い払うかのように賑やかに騒いでいる。

「シリル様、ケーキはいかがですか?」
「ありがとうシュヴァルツ。これを食べ終わったら頂くから、そこに置いておいて」
中央に料理が並んでいるため自然と人が集まる中、シリルは隅に置かれた椅子に座り静かにパーティを楽しんでいる。
もっぱら料理を運んでくるのはシュヴァルツで、本人は優雅に食事をしながら騒ぐメンバーの姿を眺めていた。
今日は体調が良いようで、参加出来ることに本人も嬉しそうだ。

「シュヴァルツさーん!さっきからシリル君の世話してばっかりで全然飲んでないんじゃないのー?」
シュヴァルツがケーキをそっとテーブルに置いた瞬間、がばっという擬音と共に後ろから衝撃。
プラチナブロンドの頭が灰色の燕尾の背中に突撃している。
酔っているのか、へらへらと笑う顔はいつもより更に緩い。
「ヘリオルさん、これが私の仕事でございますから」
「そうそう、邪魔すんなヘリオル」
アレクが、シュヴァルツの腰にしがみついていたヘリオルを引きはがす。
こちらも飲んではいたが、目立った変化は見られない。
「ヘリオル殿は弱いんですね」
「あー。この抱きつく癖をどうにかしてもらいたいもんだ」
今度は自分の方に抱きついて来ようとする弟を抑え込み、部屋へと連れ帰るためにずるずるとホールを出ていく小さな背中を見送る。
文句を言いつつも甲斐甲斐しく世話をするアレクに、やっぱり兄弟なんだなと笑みが零れた。

***

「どうしようキリク。オレ失敗しちゃった」
フォークで刺した料理を口に入れようとした時、横からかかった声に手を止める。
見ると、少々しょんぼりとした様子のアイビー。
「どうした?」
「リッドとピザの早食い競争してたらケーキ取り損ねた」
「あぁ…そう」
食い意地の張ったアイビーらしい発言。
それに少し呆れつつも、ふと思い出したように横に置いてあった皿を手に取る。
「それならこれやるよ。さっきクレアがくれたんだけど、俺食べないから」
皿の上に乗っていたのは、白い生クリームがたっぷりと塗られ、赤い苺が乗せられたケーキ。
それを見るとぱっとアイビーの顔が輝き、いいのかと問いかけられる。
簡単に人に食べ物をあげてしまうなど、アイビーからしたら信じられないことだ。
「あー…、うん。ちょっと今日は甘いものは控えたい気分なんだ」
何故か頬を僅かに赤くし、目を逸らす。
不自然な仕草に首を傾げつつも、もらえるならばと嬉しそうに手を付けた。

「そういえばギグは?オレ始まってから姿見てないんだけど」
「ギグなら多分部屋にいると思います。さっきクラトスが出て行ったから、食いっぱぐれる心配はないと思いますけど」
ふとしたアイビーの疑問に答えたのは、キリクではなく側にいたロード。
イベント事にはことごとく不参加を貫くギグは、今日もやはり自分の部屋に引きこもっているようだ。
それを世話するクラトスも大変だなと、三人で笑った。
ギグ本人が聞いたら、頼んでいる訳ではないと怒りそうな話だ。

***

ノックの音に怯えながらテオドールがドアを開けると、そこにいた人物に驚く。
正確には、その人物本人がこの部屋を訪れることはよくあるため、それに驚いた訳ではない。
その人が持っている物に、だ。
「大佐…それは?」
「会場から頂いてきました」
上司が持ってきたのは、ホールにあったシャンパンと少しの料理。
ここで飲むためにわざわざ来たのかと、言っていいものかどうかと戸惑う。
その間にもずかずかと勝手に部屋に上がりこみドアを閉めてしまったジェイドの態度に、追い返すことなど最初から無理だと諦めた。

「あの…わざわざこのように気を遣って頂かなくとも…」
「私が好きでやっていることですよ」
正直、何年何回と繰り返したやり取りだ。今更言ったところで何が変わるとも思ってはいないが、それでも上司たるジェイドが自分のためにこんなことをするのが、どうしても躊躇われた。
そんなテオドールの訴えなどいつもの笑顔で飲み込み、二つのグラスにシャンパンを注ぐ。
軽い音で乾杯をし、静かに二人だけのクリスマスパーティが始まる。

「…こんな風に大佐と飲むのも、久しぶりな気がします…」
「そうですね。この船に来てからはありませんでしたね」
他愛もない話。昔ならば迷いなく出来たことも、今はなんだか気恥ずかしい。
自分も軍に入り、彼が上司になってしまってからは、無意識に境界線を設けてしまったように思えた。

ホールの喧騒も届かない地下の部屋で、暫くゆったりと二人で飲み交わす。
喋るのが苦手なテオドールが相手だと、ジェイドも普段よりは口数が少ない。
「そうだ博士。今日はクリスマスです」
「は?はい…。知っています」
「ということはプレゼントがつきものですね?」
「え…?」
今までの僅かな会話の流れとは全く関係ない突然の言葉に呆気にとられた隙に、ジェイドの顔がすぐ傍に寄る。
小さなテーブルの距離を身を乗り出して縮め、眼鏡を取られ視界がぼやけたと思うと呼吸を塞がれた。
「ん…!?」
片手はテーブルについて体を支え、もう片手でテオドールの顎をすくい固定する。
ねだるようにぺろりと唇を舐めると、意図に気付いたのか恥ずかしそうに顔を赤く染めつつも、おずおずと小さく口を開く。
たった今まで飲んでいたシャンパンの微かな苦みとアルコールの匂いに、くらくらと酔う。
息苦しさからジェイドの手を掴んで訴えると、ようやく解放された。

「…はぁ…」
「さ、もう寝なさい」
「は…え?」
思いもかけないジェイドの言葉に、とろんと潤んでいた瞳が驚きで見開かれる。
「おや、期待しましたか?それなら私は別にしてもいいんですが」
「ぃ、いえっ!」
真っ赤に紅潮してぶんぶんと首を振ると、笑いながら目元に指を這わせてくる。
すり、と手袋越しに少し強めに擦ると、その指先には白い粉。
「化粧で隈を隠すのはやめなさい。熱心なのはいいことですが、人並みの睡眠時間は取りなさい」
「………はい…」
真剣な声音で言われた言葉に、しゅんと目を伏せる。
調べものに夢中になると、まさに寝食を忘れてしまう。何度も注意されているが、なかなか直らないのだ。

すっとジェイドの体が離れ、持ってきたグラスなどを持ち部屋を出て行こうとする。
しかし、その腕が進行方向とは逆の外力に引かれ振り向くと、俯きこちらを見ていないものの、手を引き小さく自己主張するテオドール。
「どうしました?」
「ぁ、あの………眠るまで…、私が眠るまでで、いいので…。一緒、に…」
「おや、ひどいことを言いますね。それでは私は生殺しですか?」
からかうような言い方に、本気で言っているのではないとわかっていつつも、慌てて首を振る。
「す、すみません!酔っているせいです…忘れて下さい!」
ぱっと掴んでいた手を離すが、今度はジェイドの方がその手を取り、手袋越しの指先に口付ける。
左手を取られたことに一瞬身を固くするが、触れてくる手がいやに優しく、いつものジェイドらしくないと戸惑った。
「今日は大人しく寝なさい。もう今日仕事をすることは禁止ですよ」
「はい…」
よろしい、と笑みを浮かべ今度こそ部屋を出ていく。
テオドールの言うままに残らなかったのは、一人で休ませるためかそれ以外の理由があるのかは、わからない。





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もう後半ほぼクリスマス関係ないね!
文量の違いでどれが書きたかったのか丸わかりですが気にしたら負けです。
だんだん気力がもたなくなって、文の終わりをどうすればいいのかわからずほぼ尻切れトンボですみません。
ギグはどうにも浮かばなかったので、皆さんの想像力補正でお願いします。

では、ここまで読んでくださりありがとうございました。

10.12.25
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